深淵から覗かれる
2017/04/13
哲学者ニーチェの有名な言葉ですね。
”怪物と闘うものは自らも怪物にならぬよう用心せよ。
深淵を覗く者は深淵からも覗かれている“
だったっけ。
比喩的な言葉なので解釈は色々だけど、たまに頭を掠める時がある。
こころに深い傷を負って来られる相談者さん達の話を聞き、
その体験を振り返る時、
時としてその感情に囚われそうになる時がある。
しかし、それではセラピスト失格だ。常に私達は傍観者として
単なる誘導員でいなければ正確な答えを導き出せない。
共感は持っても、深淵を覗くことは出来ないのだ。
もしセラピストが一線を超えて、こころの深淵を覗いたりしようとするなら
それはとても僭越な驕りだと思う。
覗き込んで、何を見るかは個人的な情報であり、
セラピストが解釈を加えることは、あまりにも無責任ではないか。
心の深い部分を覗き込んで、どう解釈し、どう活かすかは
相談者それぞれが判断する事だ。
ニーチェが言いたい事とは全然違うかも知れないけれど、
私は自分のお客様に対しては
あくまでも謙虚であり続けたいと思っている。