舌の舌
舌がたしかだと言う自信はある。
理由は、「家庭料理」または「おふくろの味」を知らないからだ。
小学校に上がる頃から自分の食事は自分で作るか、
(マルシンハンバーグとバナナが主食、たまにイシイのハンバーグ)
学校給食が頼りになった。
その代わり、たまに父が家に帰った時には、
贅沢なレストランや料亭で舌を鍛えてもらった。
大尊敬する小説家の吉村昭大先生曰く、
「嫁の手料理が一番」とか言うのは、一種の舌洗脳状態で、
飼い慣らされた亭主の主観だと言う。
だからきっと、飼い慣らされた経験のない私の舌は
世界基準に純度が高く、
ワイルドな舌なのだと思い込んでいる。
見様見まねで覚えた料理には今だに自信は持てないが、
ナガブロネキ様 (たまにニキ様) に教えてもらっていたりする。
明日は吉村先生の祥月命日だ。
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